制御不能 2008 5 3

 国を治める方法として、
愛国教育は、指導者にとって最も楽な方法であるが、
結果から見れば、最も愚かな方法である。
 第二次世界大戦前の日本。
愛国教育の結果が、制御不能となってしまった。
「政治家」も「軍の上層部」も、海外事情を熟知していたから、
欧米と対立するのは得策ではない、ましてや戦争するなど無謀だと考えていた。
しかし、愛国教育の結果が、つまり世論が、それを許さなかった。
 どんなに優秀な政治家でも、熱い世論には勝てない。
どんなに優秀な軍人でも、軍全体の雰囲気(世論)には勝てない。
 結局、指導者たちは、結果はわかっていたけれど、
行き着くところまで行かなければ、どうにもならないと考えざるを得なかった。
つまり、熱い世論に背中を押される形で、亡国の道を選択せざるを得なかった。

国を治める 2003 4 17

子曰、「道之以政、斉之以刑、民免而無恥。
     道之以徳、斉之以礼、有恥且格。」 『論語』

先生が言われるには、
 国民を導くのに、数々の政治的規制を用い、
 国民を治めるのに、刑罰をもって臨むならば、
 国民は規制や刑罰を免れさえすればよいと考えて、
   悪いことをしても、心に恥じることはなくなる。
 国民を導くのに、政治家の優れた人格による徳を用い、
 国民を治めるに、道徳的規範として礼節を用いるならば、
 国民は、悪事に対して、心に恥じることになり、
   自ずから国民は善に至ることができる。

  「法律や刑罰による政治」と、「徳と礼節による政治」を比較し、
 後者こそ政治の基本であると述べた。
  いくら規制や法律を作っても、政治家に「徳と礼節」がなければ、
 国民は、うまく規制や法律を免れることばかり考えて、
 結局、これは、国全体のモラルの低下を招く。
  政治家が自ら襟を正し、人格的な高潔さをもって、
 さらに人格的な智慧をもって、国を治めれば、
 国民は、政治家を鏡として、自らを律することとなり、国は治まる。
 















































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